高麗山・浅間山・湘南平

横浜市に桜の開花宣言が出された翌日の3/26(水)朝、大磯町花水バス停にメンバ10名が集合。360度の大展望と咲き始めた桜花や春の花々を求めて、夏日の気温となった晴天の中、東天照~高麗山~八俵山~浅間山~湘南平を辿り、帰路は桜並木が続く金目川右岸遊歩道に立ち寄る約12kmのハイキングを楽しんだ。

計画書

実施報告

湘南平展望台からの大展望:湘南平のシンボル「テレビ電波塔」、湘南海岸と相模湾の大海原が広がる

本厚木駅南口から平塚駅行バスに乗車、平塚駅で二宮駅行バスに乗り継ぎ、登山口の大磯町花水バス停に、約1時間20分を要して到着。ここで、地元在住でこのエリアをホームグランドにしている、今回の計画立案とCL担当のSさんと合流。

今回の計画では、湘南平~桜車道、金目川右岸桜並木湯歩道の2ヵ所の桜の名所を巡るコース設定で、実施時期を最近のさくらの開花時期の早まりを受け、3月26日に設定した。ところが、3月に入ってからの低温続きで、当初の桜開花予想日になっても開花せず、桜が開花しない中での実施を覚悟した。しかし、実施日の2~3日前に急に最高気温が25度以上の夏日となり、実施日前日の3/25に待望の横浜市での桜開花宣言が出されたたことから、湘南のさくらも開花するはずと期待に胸を膨らませての実施となった。

登山口の大磯町生涯学習センタ-前の広場で準備体操を済ませ、標高167.3mの高麗山の登りにかかると、天然石を削った石段や滑りやすい露岩のコ-スだった。予想以上に悪路の急登で、登山道は広葉樹に覆われ、下界の展望は得られなかったが、真紅のワビスケ(椿の変種)の花に慰められた。高麗山という山名からわかるように、おおよそ1500年前の奈良時代ごろ朝鮮半島から渡来した高麗人がこの付近に多く住んでいたことから高麗という地名が付いたという。高麗山の南麓には高来神社があり、金目川下流両岸を股いで、高麗(大磯町)という地名や、金目川の両岸を繋ぐ幹線道路の橋に高麗大橋の名称がつけられている。

高麗山から浅間山に向かう登山道は、緩いアップダウンが続く明るい広葉樹の尾根道で、足元には見事に花を咲かせるニリンソウやシャガの他、群生するハナニラやダイコンソウの花が今を盛りに咲き競っていた。また、コブシやキブシの花の他、林のあちこちで、競い合うように咲き始めたソメイヨシノや白花のヤマザクラを見つけて、歓声があがった。

一登りして到着した標高181.3mの浅間山頂には、浅間神社の祠が祀られており、その後方に一等三角点の立派な標石があった。また、目立つ場所に、浅間山が一等三角点の山であることを示す日本地理院の看板があった。明治15年に始まった相模野基線を一辺とし、この基線の左右に位置する厚木鳶尾山と長津田村高尾山に一等三角点(本点)を置いて開始された三角測量による緯度・経度・標高の計測に続いて、鳶尾山から南に20km離れた浅間山と丹沢山山頂等に一等三角点(本点)が設置された。この山は、鳶尾山とともに、日本の地形図作成の先駆けとなった歴史的な一等三角点であり、神奈川県在住の登山愛好者として、ぜひ知っておきたい知識だと思った。

また、江戸時代以前、盛んに行われた富士の信仰登山では、富士山が女性禁制であったため、女性はこの浅間山頂上から、霊峰富士を参拝したという。

浅間山から15分ほど西に進むと、急に360度の展望が開け、赤白に塗り分けたTV中継塔が立つ湘南平に到着した。地名の通り、広々とした丘陵の東側には、湘南平のシンボル「TV地デジ電波塔」があり、厚木市を含め、神奈川県の西半分の地域に住む住民が、日々お世話になっている、なくてはならない大事な塔である。また、西側には、展望台を備えた4階建てのレストハウスがあり、展望台の上から、360度の大展望が堪能できた。この日は、終日晴天であったが、気温が27℃超の夏の陽気の上、中国大陸からの黄砂により、特に西~北方向の視界が悪かったため、富士山の姿はなく、約20km北の大山のシルエットがかろうじて確認できる程度であった。しかし、南から東に広がる湘南の海岸線と相模湾の大海原の大景観は申し分なかった。

TTCメンバ10名は、湘南平南側の藤棚の下で、40分ほど昼食を摂った。その間、桜の開花が急速に進み、咲き始めたばかりだった桜花が、昼食を終えて出発するころには、二~三分咲きになった。下山は、桜並木を愛でながら桜車道を北側の平塚市万田方面に下り、高麗山~浅間山を右手に見上げながら東に進んで、金目川右岸遊歩道の桜並木を歩いた。立派な枝を伸ばしたソメイヨシノの大樹の並木であったが、開花している樹木は少なく、少し残念であった。最後は国道1号線を古花水バス停まで歩き、ここで解散とした。

本日の湘南平桜ハイキングは、歩行距離約12kmを歩行時間4時間、行動時間5時間30分、歩行数:約18000歩の実績をもって終了した。

花水バス停から標高167.3m高麗山奥の院頂上へは、足場の悪い急登が約1時間続く。
高麗山から湘南平までは、種々の花々を愛でながらの起伏の少ない広葉樹自然林の約1時間の尾根歩きとなる。
桜が開花しているか心配しながら実施した今回。浅間山山中に咲くソメイヨシノを見て一安心。
ヤマザクラが競うように咲いていました。
最高峰181.3m浅間山山頂。浅間神社の祠の後ろの樹木の下に一等三角点の標石がある。 
浅間山から15分で湘南平に登り着くと一気に展望が開け、相模湾をはじめ、360度の大景観が広がった。
南平TV電波塔近くの藤棚の下でランチタイム。27度の外気温下、ソメイヨシノの開花が一気に進んだ。
帰路に立ち寄った金目川右岸遊歩道の桜並木。こちらのソメイヨシノは、まだ開花していない桜樹が目立った。

◆高麗山~浅間山の尾根道で出会った花々(樹木に咲く花3点、春の草花3点)

ワビスケ(椿の変種)の花
キブシの花
コブシの花
ニリンソウ
シャガ
ハナニラ