山下公園・山手地区庭園

春バラの花が最盛期を迎えた五月晴れの日、横浜市主催花の祭典「ガーデンネックレス横浜2025」の主会場である山下公園や山手地区に点在するバラ庭園・洋館等を12名のメンバで巡るフラワ-ウォ-キングを実施した。

計画書

実施報告

ガ-デンネックレス横浜2025のメイン会場「山下公園」の広大なバラ園に咲き誇る多彩なバラは壮観の一語

◆JR関内駅~横浜公園~みなと大通り~山下公園バラ園

JR関内駅南口をスタ-トし、横浜公園を通り抜け、みなと大通りに面する横浜三塔の横浜開港記念館のジャックの塔と横浜税関のクイ-ンの塔を眺めながら、象の鼻公園から横浜港大桟橋を左に見て、山下公園に向かった。ひょっとしたら大桟橋に大型客船が停泊しているかもと、期待していたが、小型の観光船の含め、一隻も停泊していないのを見て、少々がっかりした。その代わり、象の鼻から山下公園一帯は、明日と明後日に開催されるWorld Triathlon Championship Series YOKOHAMA 2025の会場となるため、あちこちにテントが張られ、競技用の自転車置き場やバイクコ-スの設定作業等で大忙しの様子だった。

作業中の公園内を係留中の氷川丸方面に進むと、お目当ての山下公園バラ園に到着。バラ園は、氷川丸と横浜グランドホテルに挟まれた広大な地域に、春バラ約160種類1900株を中心とした色とりどりの初夏の花々が咲き誇っていた。とくに、蔓バラを高いアーチ状に仕立て、バラのトンネルに仕上げた見ごたえのあるバラのトンネルが見事だった。時間をかけて園内をじっくり巡り、花色とりどり、花形状千差万別のバラの花々を愛で、噴水に守られた米国サンジェゴ市寄贈の女神像、赤い靴の童謡で有名な少女像をバックにして記念撮影をした。

花水バス停から標高関内駅から横浜開港記念館ジャックの塔(写真)やクイ-ンの塔を眺めながら、みなと大通りから山下公園へ。
山下公園南東側の氷川丸付近に広大なバラ園が広がり、1900株のバラが今を盛りに多彩な花を咲かせていた。
山下公園には160品種のバラが植栽されているそうだが、その中で美しさが際立つバラのアップ写真
赤い靴少女像を囲んで。ベイブリッジ、横浜港大桟橋、赤レンガ倉庫、ランドマ-クタワ-等が一望。

◆アメリカ山公園~港の見える丘公園バラ庭園・イギリス館弦楽二重奏ミニコンサ-ト

山手方面に続く遊歩道をフランス橋まで進み、ここから一般道に降りて、みなとみらい線終点駅「元町・中華街」5番出口から、エレベータまたは、エスカレ-タを利用して、4階建てビルの屋上まで上がるとアメリカ山公園に楽に到着できた。アメリカ山公園敷地は狭いが、春バラの花を中心に多種の初夏の花が所狭しに咲き誇っていた。

外人墓地を右側に見ながら、緩い坂を10分ほど登ると、次の目的地「港の見える公園」に到着した。付近は大勢の観光客で大賑わい。やっと見つけた石のベンチに座って早めの昼食。五月晴れのこの日、好天であったが、25℃まで気温が上がり、展望台からの景色は、全体に霞がかかり、眼下のベイブリッジもクリアには見えなかったのは残念だった。

港の見え丘公園に附随したバラ園は、山下公園のそれに比べ、半分ぐらいの敷地面積と想像される狭い庭園だったが、バラを中心にした初夏の花々が狭い敷地にひしめきあうように.植栽されており、迷路のような狭い通路を辿って花々を鑑賞して回った。

付近には、大正15年に、この地にアメリカ人のJ..E..ラフインの住宅として建築されたスペイン風の赤瓦の屋根と白壁の洋館があり、また、隣接して横浜市所有のイギリス館が並んでいる。イギリス館は昭和12年に英国総領事公邸として建築された、当時の大英帝国の風格をよく表わした洋館で、昭和44年に横浜市が買い取って、内外装を補修し、平成14年から無料開放し、自由に見学できるようになった。TTCメンバ全員で、2つの洋館の内部を見学させてもらった。また、この日のみ、イギリス館中庭で、バイオリンとチエロの弦楽二重奏のミニコンサ-トが開催されるとのこと。中庭の芝生の上に座って、優雅な音色に耳を傾ける至福のひと時を過ごすことができた。

港の見える丘公園展望台から、眼下の横浜港、ベイブリッジ、ランドマ-クタワ-等の展望を楽しんだ
港の見える丘公園ロ-ズガ-デンで参加メンバの集合写真。
公園内のロ-ズガ-デンは、コンパクトであるが、多種多様の洋花が所狭しに咲き誇っている中を巡り歩いた。
館内を見学したイギリス館の中庭で本日限り開催の弦楽二重奏のミニコンサ-トを楽しんだ。

◆山手本通り~山手イタリア山庭園~JR石川町駅

ミニコンサ-トが終了した午後2時半ごろ、観光客がめっきり減った南西に続く山手本通りをぶらぶら歩きしながら、最終訪問地のイタリア山庭園に向かった。目的地までは1kmほどの行程で、途中に、山手234館、エリスマン邸、ベーリック・ホール、フェリス女学院、カトリック山手教会等の横浜山手に点在する歴史と由緒ある洋館や建築物を左右に眺めながらの散策となった。

最終目的地の山手イタリア山庭園には、国の重要文化財に指定されている「外交官の家」とブラフ18番館の2つの洋館と、「バラと輝く噴水の庭」というテ-マで最近リニュ-アルされた本格的なヨーロッパ庭園から望む横浜ベイブリッジ等の港の景観が見どころだという。

山手イタリア山庭園に到着して、最初に立ち寄ったのは、庭園が一望できる隠れ家的お休み処「Bluff  Garden Café」。テラス席に陣取り、コーヒとケーキセットをいただきながら、歩き疲れた身体に十分な休息を与えることができた。なお、このお休み処は、CLとSLが現地を下見した際に目を付けておいた休み処だという。きめ細かい計画を立案するためには、このような下見が有効であることを改めて実感した。

元気を取り戻した後、山手イタリア山庭園のメインとなる建物「外交官の家」の館内を見学した。この洋館は、明治43年に明治政府外交官・内田定槌邸として、アメリカ人建築家J.M.ガーディナ-によって、都内渋谷区南平台に建てられたもので、平成9年にこの地に移築復元されて、国重要文化財に指定された、アメリカン・ビクトリアン様式の建築物として、貴重な文化財とのこと。

一段低い場所に復元された広大な庭園は、規則正しく幾何学的模様にデザインされており、ヨーロッパ様式の典型的な庭園に仕上げられているようだ。緑鮮やかな背の低い生垣が幾何学的に配置され、その空間に、色鮮やかな花々が規則正しく配置された見事な庭園であった。

イタリア山庭園へのアプロ-チロードには、大都会では稀有なメタセコイア大樹の並木道があり、帰路は、この並木道を歩き、大丸谷坂の急坂を下って、ゴールのJR石川町南口で解散した

行程の最後の最後となる大丸谷坂の土手一面を真っ赤に飾る蔦バラのお見送りを受けた。出発した関内駅から、みなと大通りにかけては、咲き始めたばかりのサツキの花の出迎えを受け、コ-スの要所々々では、多彩で見事な花々に出会え、いつまでも記憶に残る、行動時間5時間40分、16,000歩のフラワ-ウォ-キングを堪能することができた。

山手イタリア山庭園内の穴場のお休み処「Bluff Garden Café」の屋外テラスでしばしの間coffee breakを楽しむ
館内を見学した「外交官の家」(明治43年築国重文)の外観。都内南平台にあったものをこの地に平成9年移築復元。
幾何学的に美しくデザインされた典型的洋式庭園のイタリア山庭園。ここのバラの見頃はもう少し先のようだ。
山手イタリア山庭園に続くメタセコイア並木。大都会の公園内に、このようなメタセコイア大樹の並木は珍しい。