富士山奥庭・御庭・お中道

9/15早朝、シニアメンバを中心とした13名のメンバが、マイクロバスに乗車して厚木市を出発。相模湖ICから中央高速道を走り、河口湖ICから富士スバルラインに入って四合目奥庭登山口に向かった。
山麓の富士河口湖町の本日の天気予報は終日晴れ基調であったが、五合目付近は、変化の激しい微妙な予報の中を目的地に向かった。山梨県に入ると、小雨交じりの濃霧で、富士山の姿どころか、すぐ近くの山姿も霧の中と、好天予報大外れの悪天候にガックリ!
しかし、麓は曇天や雨天であっても、富士山五合目まで登ると、下界は雲海、上空は青空の富士山を何度も経験している我らTTCメンバ。「今回もいつも通り山の上は晴れているヨ。」と言い聞かせながらスバルラインを登ってゆくと、徐々に霧が晴れ、三合目より上は日が射して、青空が広がり、気高く聳え立つ富士山と雲海に浮かぶ南アルプスの大パノラマが広がる景観に、メンバ全員から大歓声があがった。

計画書

実施報告

標高2200m四合目の別天地「奥庭」の火山礫で埋まる広大な旧噴火口跡から望む富士山

四合目奥庭入口で下車し、まず、天狗の庭の愛称で知られる富士山の別天地「奥庭」を約1時間かけて一周するハイキング。標高差50mほど樹林帯を下り、山荘売店と赤い鳥居の先に天狗岩を祀る社が奥庭入口。ここは、山腹噴火によって形成された直径約500mの寄生火山跡。溶岩の丘と火山礫の平原に、冬季の氷雪と烈風に何百年も耐え忍んできた、背の低いテーブル型樹形や風下方向のみに枝葉を延ばした旗型樹形と呼ばれる富士山特有の樹形のカラマツ、シラビソの疎林の中に続く遊歩道を、富士山を仰ぎ見ながら奥庭展望台まで辿った。足元から下界一面に広がる雲海の彼方に南アルプスと奥秩父の山々が浮かぶ。「あの山もこの山も、みんな登ったね」と言い合いながら、あれは、甲斐駒岳、鳳凰三山、仙丈岳、北岳、間ノ岳、農鳥岳、塩見岳、荒川三山、赤石岳、兎岳、聖岳、上河内岳。こちらは、雲取山に甲武信岳と山座同定を存分に楽しんだ。しかし、八ヶ岳と奥秩父の金峰山付近の山々は雲に隠れ、終日姿を見せなかったのは残念だった。

富士山中腹の別天地「奥庭」はスバルライン四合目から案内板に従って標高差50mほど下った先にある
到着するとすぐに天狗石を祀った赤い鳥居と社がある。ここは富士山に棲む天狗の遊び場だったという
奥庭は寄生火山の噴火口跡で、溶岩と火山礫の散策路を一周できる。ハクサンシャクナゲやコケモモが多い
強風に耐えるため、カタマツ等の樹木はすべてテーブル型あるいは旗型樹形の独特の形状をしている
展望台からは雲海に浮かぶ南アルプスの大展望を、心行くまで楽しむことができた。
無理だと半ばあきらめていた南アルプスの大展望を雲海の上から堪能して、満足顔のメンバたち。

次の訪問地「御庭」は、奥庭入口バス停前の道路を横断し、「富士山中道・奥庭登山口」標識から、標高差100mを約40分かけて登った先にある。苔むした深い原生林を登ると、ほどなく旗型樹形のカラマツと低灌木の疎林に変わって、展望が開けると、五合目駐車場から大沢崩れまで続くお中道に合流し、標高2350mの荒涼とした火山礫の高みに建つ奥庭展望舎に11:25AMに到着した。奥庭一帯は、植生が薄く、火山礫むき出しの裸地が目立ち、火山特有の荒涼とした雰囲気を醸し出している。現地に設置されている説明板を読むと、付近には、御庭奥庭第一/第二火口列と呼ばれる2本の割れ目噴火口跡が北西方向に走っており、約2000年前には、盛んに山腹噴火を繰り返し、麓に向かって流れ出した溶岩が、青木ヶ原樹海や、西湖、精進湖などを形成する一因になったようだ。
TTC貸切状態の静かな展望舎の周りに設置された休憩卓に分散して、ランチを楽しんだあとは、先ほど奥庭で眺めた山姿とは微妙に異なる南アルプスや奥秩父の山姿を飽きるまで眺めた。背中には秋晴れの空に聳え立つ富士山、眼前には雲海の彼方に浮かぶ山々、そよ風が吹き、気温15~20℃の心地よい秋晴れの御庭のビュ-ポイント。日向より日陰の方が居心地良いと感じる、秋というより、まだ夏の余韻が強い、そんな微妙な空気の中に、久しぶりに身をおいて、大自然を存分に満喫することができた。

標高2200mの奥庭から見上げた富士山。10月中旬には黄金に輝くカラマツ紅葉の絶景が見られるという。
スバルライン四合目奥庭入口の道路反対側に「富士山お中道・御庭」登山道入口がある。
御庭へ向かうコースは苔むした原生林の登りから始まる。
少し登ると旗型樹形のカラマツと低木の疎林が広がる御庭の一角に到着し、展望が一気に開ける。

標高2350m付近で、スバルライン五合目と大沢崩れを結ぶお中道に合流する。
11:25AM御庭展望舎に到着し約45分の昼食休憩。右手の樹林の窪地は割れ目噴火した火口列跡だという

富士山の標高2350mの等高線に沿って作られたお中道は、見事なほどアップダウンが少ない。土石流や岩雪崩の被害を防ぐための巨大な導流壁や溶岩流の跡などを眺めながら、五合目駐車場方面に向かった。この辺の斜面に見られる植生の種類は、まだ花を残したオンダテや真っ白でタワシのように硬い珍しいミヤマハナゴケ等、ごくわずかであった。
五合目駐車場に近づくと、木漏れ日射す樹林帯の緩やかな下り坂の径となり、針葉樹に交じり、ダケカンバの大樹やハクサンシャクナゲの群生、そして、地面には、赤い実を沢山つけたコケモモが目立つようになった。奥庭にもハクサンシャクナゲとコケモモの群生地があったが、7月下旬の花の時期に訪れれば、見事な花々に出会えるに違いない。我々も今回のコ-ス設定で、7月下旬実施で、2年前から計画したが、いずれもコロナ流行で中止となり、やむなく、2か月時期を遅らせての今回の実施になった。富士登山のシ-ズンオフのこの時期、お中道を歩くハイカ-の姿はまばらで、にぎやかになったのは、遠足にやってきた中学生や小学生の団体にすれ違った時ぐらいであった。今回は、見事な花々には出会えなかったが、その分、静けさを取り戻した富士山の自然を満喫することができた。
今回のハイキングで一つ気になることに出会った。奥庭やお中道だけでなく、スバルラインの3~4合目付近で、林の中で何やら採取している人を沢山に見かけた。お中道で見かけた人に声をかけて聞いてみたところ、コケモモの赤い実を摘み取っているのだという。岩石や動植物の採取が一切禁止されている国立公園内で、こんなに大々的に採取してもよいものなのか?大いに疑問に感じた。スバルライン五合目の売店には、コケモモジュ-スやコケモモソフトクリ-ムの看板をいくつも見かけた。国立公園指定区域外で採取されたココモモの実を材料にして製造されたものであることを願うばかりである。

付近には御庭奥庭火口列と命名された2列の割れ目噴火口跡が走っており、火山の荒々しさを実感した。
南アルプス南部の山並み。左から聖岳、赤石岳、荒川三山。

南アルプス北部の山並み。左から、北岳、仙丈岳、鳳凰三山、甲斐駒岳。
お中道を横切る溶岩流。火山礫の斜面を流れ落ちて固まった光沢ある溶岩が活火山であると主張している
大雪山や富士御庭等の限られ山域に自生するミヤマハナゴケ。白色で奇麗だが触るとタワシのように硬い。
富士山に沢山自生するオンダテの花がまだ咲き残っていた。アキノキリンソウやフジアザミの花も。
森林限界付近にあるお中道だが、五合目駐車場に近づくと、ダケカンバとハクサンシャクナゲが目立つ
森林限界付近にあるお中道だが、五合目駐車場に近づくと、ダケカンバとハクサンシャクナゲが目立つ 落葉樹の下には赤い実を付けたコケモモが群生しており、この実を摘み取る人を多数目撃した。

人影まばらな五合目駐車場に到着後、富士山小御岳神社に参拝を済ませて、本日の標高差登り約200m/同下り約100m/歩行距離約5kmの奥庭・御庭・お中道ハイキングは、歩行時間約3時間/行動時間4時間余り/歩行数約14,000歩の実績値をもって、無事終了した。帰路、道の駅富士吉田に立ち寄り、ガラ空きの中央道を走って、夕方前に厚木市帰着となった。
今回のハイキングコ-スをこれまでに訪ねたことのあるメンバは、富士山に10回以上登ったというベテランメンバを含め皆無であり、富士山にこんな素晴らしい場所があったのかと、全員感激しきりだった。ハクサンシャクナゲ咲く夏、カラマツが黄金に輝く秋と季節を変えて、また実施できたらと思った。

本日のハイキングは古富士山の噴火口があったとされる五合目小御岳神社に参拝して終了とした。
本日のハイキングは古富士山の噴火口があったとされる五合目小御岳神社に参拝して終了とした。 右下の奥庭⇒Cルートから御庭に登り、お中道を左端まで辿る約5km/行動時間4時間強のハイキング