安全登山講習会
伊勢原警察署に依頼をし山岳救助隊のかたがたに安全登山について講習を受ける機会がありました。
当クラブからは19名もの安全登山の知識・技術を高めたいメンバーが集まり、山岳救助隊員お二人をお招きして貴重な講習を受けることができました。
当日は曇りながらも気温16度と上々の条件で実施できました。巨大なザックやクライミングギアなど山岳救助のフル装備に圧倒されつつ、期待と緊張感を持って臨みました。
講習では、最初に伊勢原署の管轄する山岳地域での遭難事故の事例や隊の活動について詳しく説明していただき、その後に16丁目まで要所要所で安全登山に関するアドバイスをいただきつつ登り、かごや道経由で下社まで戻るというコース。
参加者からは、質の高い講習と講師の方々の熱意に感謝の声が多数寄せられていました。
以下、講習で得られた安全登山のポイントをまとめてみました。
- 大山は遭難事故が多い山で、昨年は47件の出動があった
- 遭難の主な原因は「疲労」。体力に見合った計画と行動が大切
- 登山届を事前に提出することで、多くのアクシデントに対応できる。現在ではオンラインでの提出が増えている
- スマホのGPS機能が遭難者の位置特定に役立っているが、高い山でははるか遠方の基地局に接続することもある(大山にいるのに大磯にいると判断れされた例も!)
- 救助隊は常時待機体制を敷いており、迅速に現場に駆けつける(そのため晩酌もしないとのこと。ストイック!)
- 県警航空隊の救助ヘリは金沢区から5分で現場に到着できるが、事故現場を特定するのは難しい。
救助を助けるため、複数の人がヘッドライトを点滅させるのが効果的 - ヘリによる救助時は、回転翼の風が強く非常に危険なため、ヘリの前方や真下から離れる必要がある
- 遭難時は消防署(119番)または警察署(110番)に通報する。双方が連携して対応する
- 登山者の滑落現場に遭遇した場合はまず冷静になり、自分でむやみに救助行動を起こさないこと
- 水は最低でも2リットルは用意する。飲料用の用途以外にも、傷口の洗浄にも使える
- お湯も持参すれば、プラティパス(耐熱のもの)に入れタオルで巻けば湯たんぽとして活用できる。低体温症の場合は心臓を温めるとよい。
- 登山時はリーダー・サブリーダーを明確にして統率がとれた活動をしてほしい
また怪我人の搬送方法のデモンストレーションも行っていただき、テープスリングと安全環付きカラビナを使った背負い搬送の方法を学びました。この道具2つは登山に持参しておくと良いと推奨されました。
講習では豊富な経験を持つ救助隊の隊長と隊員の方々から、大変貴重なアドバイスを多数いただきました。
私たち登山者一人一人が安全登山に努め、もし遭難事故に遭遇した際には冷静に対応できるよう心がけたいと思います。
ルート
合計距離: 2775 m
最高点の標高: 994 m
最低点の標高: 667 m
累積標高(上り): 383 m
累積標高(下り): -390 m
総所要時間: 04:09:11
最高点の標高: 994 m
最低点の標高: 667 m
累積標高(上り): 383 m
累積標高(下り): -390 m
総所要時間: 04:09:11