九重連山・阿蘇山・祖母山

九州の日本百名山3座を、ミヤマキリシマ最盛期に訪れる

計画書

実施報告

くじゅう連山の山開きは例年6月第一日曜日に設定されている。ミヤマキリシマの見ごろ時期は場所によって異なるが、ここに合わせて日程設定すればどこかで満開の花に遭遇できる可能性が高くなると思われる。
実施直前に、各拠点に関連する役場や観光案内所に連絡を入れて最新の情報を入手した。今回の山行の目玉であるミヤマキリシマの開花は年毎に状況が異なり、虫(尺取り虫?)による被害も深刻度が増しているようである。また登山口までのアクセス道路や登山道に関して想定外の情報を得ることができ、現地の生情報の入手の重要性を改めて痛感した。

6/4[日]:久住山 晴
今回は長者原(ちょうじゃばる)および牧ノ戸峠の登(下)山口を利用したが、どちらにもかなりの台数を停められる駐車スペースがあるものの、この時期は多くの人が出て満車状態であった。長者原駐車場で空きスペースを求めて入っていったところ、たまたま目の前の車が出て行ったので直ぐに停められたのは超ラッキーであった。
無料のシャトルバスで牧ノ戸峠に移動後スタート。高度を上げていくとお目当てのミヤマキリシマにあちこちで遭遇するもののビッシリの状態ではない。久住山、中岳御池を経て法華院温泉山荘に到着。温泉のある宿として人気が高く満員であった。当初は6/3[土]泊で計画したが確保できず、計画全体を1日後ろにずらすことになってしまった。


6/5[月]:立中山(たっちゅうさん) 曇
ミヤマキリシマは大船(たいせん)山、平治(ひいじ)岳が名所だが、虫による被害もあったりしてあまり期待できないのに対し、立中山(たっちゅうさん)が見ごろをむかえているとの情報があり、こちらにルートを変更したが、見事なミヤマキリシマに遭遇することができた。一面に絨毯を敷き詰めたピンクの花々の間を縫って歩くことができ大満足であった。山頂ではお茶を飲んだりしてゆっくり過ごし、存分に満喫した。今回の4日間ではここが圧倒的に素晴らしかった。
♬四面山なる坊がつる 夏はキャンプの火をかこみ~♬(坊がつる賛歌)と歌われる坊がつるには色とりどりのテントの花が咲いていた。ここを拠点にすれば水、温泉、トイレの心配がなく、花期ばかりでなく紅葉期も素晴らしいらしい。余裕があれば天泊で何日もここで過ごせば至高の時間を過ごすことができそうである。
“大観峰”に立寄った。360度の大パノラマが楽しめる阿蘇随一のビュースポットで、阿蘇の街並みや阿蘇五岳、くじゅう連山が一望できる。翌日の阿蘇山が雨予報となっていることもあり、ここで素晴らしい景観を目に焼き付けた。阿蘇に向かう道すがら気軽に立ち寄ることができ、私からも是非ともお薦めしたい。
阿蘇の宿はチョット高めの『民宿あそげん』を選択した。内容は省略するが超豪華な食事に大満足で「冷酒が合うよね~♪」の一言で何本もお替りしてしまった。今回のメンバには酒豪(?)がそろっていて、これも楽しさを倍増させてくれた(笑)。


6/6[火]:阿蘇山 雨
「一日中雨で稜線に出たらやや強い風が吹いている」との予報であったが、阿蘇有料道路の開門(8:30)前に現地に到着できるように早起きしてスタートした。行儀松ルート分岐を過ぎて暫くすると石ゴロゴロの急登が南峰まで続く。しっかりと濡れているが、登り下りともそんなに滑りやすくはなかった。稜線に出ると傘を指していると多少あおられることもあったが、そのまま歩ける程度の風だったのは幸いであった。高岳に到着後は東峰を経由して周回する計画であったが、雨がずっと降り続いており、ここで戻ることにした。雨中とはいえ阿蘇の豪快さをそれなりに感じることができ、諦めないでよかったと思うが、こんな日に阿蘇山(高岳)に登る人は我がチーム以外誰もいなかった(笑)。
早出出発に変更し、阿蘇山稜線周回を割愛したこともあり、高千穂町にはチェックイン時間前に到着した。そこで名所である“高千穂峡”や“天岩戸神社”巡りを実施することにして、チョット得した気分を味わうことができた。
民宿天和(てんほう)は格安で、早めの予約に配慮して旅行割引支援の適用をしていただいて、前日の宿に比べて半値以下で宿泊することができた。一日中雨の中を歩いてきてザックや登山靴の中までグショグショになっていたが、設置されていたコインランドリ(7~8台はあったか?)を駆使して、「洗濯+乾燥」、「乾燥のみ」および「登山靴乾燥」に分けて手際よくサポートしていただいたのには心尽くしが身に沁みた。こんな値段で本当に良いのかと思えるほどだったが、随所に心配りが感じられる心温まる宿で絶対にお薦めである。

6/7[水]:祖母山 晴時々曇
祖母山は北谷登山口を起点に周回する計画であったが、登山口にアクセスする道路が工事中のため、約1時間手前に車を停めて歩かなければならず、往復で2時間近くのロスが発生することが分かった。他の尾平(おびら)登山口や神原(ごうばる)登山口からのルートについて急遽検討を行ったが、付け焼刃の感は払拭できず、結局早起きしてオリジナル通りの登山口から行くことにした。登山口に到着後、計画通りに風穴ルートを進んだが、川が前日の雨で増水していて渡渉できず断念して、三県境~国観峠ルートをピストンすることに変更した。祖母山山頂も360度のパノラマビューを堪能のでき、ミヤマキリシマが咲き誇っていて、とても良い所であった。
下山後、道の駅高千穂に立寄って地域割クーポンでお土産をゲットし、天麩羅蕎麦などをいただいて、道中の久木野温泉で汗を流して、熊本空港から無事に帰途につき、4日間の旅は終焉を迎えた。

山行写真