八ヶ岳縦走
八ヶ岳2000m級の四座(編笠岳・権現岳・赤岳・阿弥陀岳)に登る
計画書
実施報告
台風の接近の影響が考えられ、7 日は風速 20m との情報に実施が危ぶまれたが、予定日が近づくにつれ、やや好転した。しかし。刻々と変わる予報に振り回され、実施の可否を前日まで延期し、小屋にもその旨を了解してもらった。前日には何とか実施できそうな予報となり、実施を決定した。二泊三日の山行は、3 日とも好天が見込まれることは少ないので判断が難しかった。
当日は計画書の集合時刻を 1 時間繰り上げたので、渋滞を回避できると考え、圏央厚木 IC に 6:10 に入った。高尾を過ぎると渋滞し始めたので、判断の難しさを感じた。それでも、相模湖 IC からかかる時間とほぼ同じ時間で小淵沢 IC を抜けることができた。
舟山十字路は、駐車スペースに限りがあり心配していたが、2 台停めるスペースがあり、ほっとした。
初めは平たんな林道歩きが続いた。キバナヤマオダマキがいたるところに咲き、ソバナ、ギボウシ、フシゴロセンノウ、オトギリソウなども見られた。また、アサギマダラが蜜を求めて数匹飛ぶ姿も見られた。
林道から樹林帯に入ると、八ヶ岳らしい苔むした風景となり、斜度も増した。西岳からは、権現岳が正面に見え、翌日登る山だと思うと、わくわくした。
青年小屋の手前には乙女の水と呼ばれる水場があり、その冷たい水を汲んで翌日に備えた。
計画では、6 日に編笠岳に登る予定だったが、計画より早く青年小屋に着いたため、青年小屋で一休みしてから編笠岳に登った。岩場がしばらく続き、樹林帯を過ぎると大展望を望むことができた。八ヶ岳らしい荒々しい山容に緊張感が増した。
青年小屋の食事は手造りのシューマイや卵焼きなど心がこもっていて満足した。
6 日はいよいよ権現岳、赤岳登頂というメイン山行で、計画は 7 時出発だったが、朝食が 5:30 だったので早めに出発した。ガレ場や岩場の道を慎重に歩き、1 時間 30 分ほどで権現岳に登頂した。長い梯子を過ぎ、灌木の中の尾根歩きのあとは一番緊張の連続する箇所が続く。落石の危険のあり、慎重に歩を進めた。その後も、ハシゴ場、クサリ場が続き、一瞬たりとも気を抜けない状況が続いた。そんな中でもいたるところに花が咲き、お花畑のような景色に癒された。カワラナデシコ、ジャコウソウ、イワギキョウ、ウメバチソウ、トウヤクリンドウコマクサ、イワツメクサ、オタカラコウ、トウヒレン、キンバイソウ、イワベンケイなどが見られた。
やっとの思いで赤岳の頂上に立つことができ、一同ほっと胸をなでおろした。ゆっくり登頂の感動を味わい、頂上山荘に向かった。夕飯までの長い時間を食堂で過ごしたが、二方向がガラスで、まるで雲上のテラスのようで周りの山々の景観を楽しみながら懇親を深めた。「天気とくらす」の翌日の予報は A 判定だったので安心して床に就いた。
しかし、夜中、風と雨音に何度も目が覚め、翌日の天気が懸念された。相変わらず予報は A 判定だったが、結局、下山までほぼ霧の中だった。途中から風が弱くなったのが唯一救いだった。無事、船山十字路に下山することができ、達成感、満足感に浸ることができた。
【追加報告】
本山行の後に、当会ホームページを通じて赤岳頂上小屋に宿泊されていたかたより当会の当日のふるまいに苦情が寄せられた。概要は以下の通り
・当会メンバーが小屋で宴会をしておりうるさかったのでもう少し静かにしてほしいと依頼をしたところ、当会のメンバー1名から文句を言われる筋合いはないと強い口調で言い返された
・他の登山客に迷惑にならない配慮をするよう会員に周知してほしい
当会世話人が当事者に確認したところ、以下の通りであった。
・当日は小屋に予定より早く到着し(13時)、夕食までの時間に参加メンバーで酒を酌み交わし話が盛り上がり声がつい大きくなってしまった。
・いい気分だったので指摘を受けた際につい言い返してしまった。冷静に考えればこちらに反駁の余地はいっさいなく、他者への配慮に欠ける行動でこのかたをはじめ他の登山客や小屋の関係者に不快な気分にさせてしまったことを深く反省した。
・今回の件を教訓に、今後は個人でもグループでも山小屋での過ごしかたについて分別ある行動を心掛ける。
当会では本件を受けて2023年8月度例会での議題として取り上げ、全会員へ山行マナーに関する注意喚起がなされた。
ルート
最高点の標高: 2922 m
最低点の標高: 1600 m
累積標高(上り): 2546 m
累積標高(下り): -2553 m
総所要時間: 02:26:21